サイゴンの夕焼け。
本棚の中で絶対に捨てられない作者は。
開高健は 確か 高校生の 2年だったか。
彼の釣り体験の名シリーズ。 「オーパ」 の取材ドキュメンタリーか何かを見て、それがきっかけだったと思う。
近藤紘一は 、社会人になってから。
開高健 が引き金で、ベトナムに興味を持った時に 近藤紘一の代表作、
「 サイゴンから来た妻と娘」を手に取ったのが始め。
面白いことに 近藤紘一の 別著で知ったのだが 、
ベトナム戦争の時にこの三方。
それぞれ従軍記者として サイゴンにいて、現地で仲良くなっていたから驚き。
随分前に三方とも 彼岸に行きましたが、
高校生の時は全くわからなかった、
三方が、豊穣な言葉と情熱で 表現していた、
男と女、 人生の 寂寥、焦燥が、 目を背けたくなる程染み入る年齢になりました。
開高健が 溢れんばかりの 言葉で表現した 、 サイゴンの夕焼けを 。
いつか見よう。 いつか行こう。
と思いながらこの歳になってしまった 。
そしてこの歳になって
「いつか」は来ない。
自分がそう動くことでしか、「いつか」を手に入れることができないんだなと。
今こそ、ここから抜け出して
あの夕焼けを必ず見に行こう。